○本堂
現在の建物は江戸時代の延宝8(1680)年、第7世の天州禅師の代に建立されたものである。間口11間、奥行7間半。正面の廊下は鶯張りである。堂内には本尊「釈迦如来座像」「夢窓国師座像」等を安置している。
○山門(鐘楼門)(甲府市文化財)
現存の山門は江戸時代の寛永14(1637)年、第4世の大器禅師の代の建立である。斗きょうと呼ばれる柱の上の軒を支える部分の組み物や木鼻(きばな)という柱から横に突き出した部分の構造、唐草を表現した渦巻の形状など、江戸時代初期の時代的特徴がはっきりと表れている。二階につるされた鐘は排仏毀釈の影響で失われたものを昭和の代に新鋳したものである。大晦日には門前で越年祭を行っており、神酒などが振る舞われるほか、希望者は除夜の鐘を鳴らすことができる。
○経蔵(甲府市文化財)
本堂の西奥にある土蔵造りの建物。桁行8.6m、梁間9.43m、屋根は方形造りである。内部には堂の真ん中に経箱を置いて中心に柱をたて、これを軸に経箱が回転する「輪蔵(りんぞう)」と呼ばれる回転式本箱がある。
この形式は鎌倉時代からみられるようになったもので、これを「転法転読」と唱えながら回すことにより、全ての経典を読んだのと同じ功徳があると考えられた。
形式は木造八角輪蔵、総高約4.5mの立派なものである。輪蔵内には鉄眼版の一切経6956巻と寄進者の位牌が安置されている。
寺伝によると、この経蔵と輪蔵は安永3(1774)年頃檀徒の北村氏の祖先が金50両を寄進して発願し、文化10(1813)年に完成したといわれている。
○大玄関
本堂東の大玄関は正徳2(1712)年、第10世天圭禅師の代の建立である。
○夢窓国師庭園
清音閣の前庭心字池の畔から本堂裏一帯にかけての石組庭園が国師の築庭になるものである。県内には恵林寺庭園(国特別名勝)をはじめ、夢窓国師の造園とされる庭が数カ所あるが、当山の庭園もそのひとつである。