○ご本尊(甲府市文化財)

 弥勒菩薩像と伝えられているが、現在は「宝冠のお釈迦様」と呼ばれる釈迦如来座像と考えられている。像高53cmの寄木造り。全体的に黒々とした地肌だが、随所に金粉を施した後が認められる。鎌倉時代末期の作と推定されている。

○夢窓国師坐像(甲府市文化財)

 国師がまだ若かった頃の肖像彫刻で、いすの上で座禅をしている姿である。像高43cm、両膝の間が58cmの寄木造りで目には玉がはめ込まれている。もともと色が塗られていたが、現在ではほとんど落ちてしまっている。鎌倉時代末期の作とみられている。
 この彫刻はもとは中道の安国寺にあったものであるが、元禄13(1700)年、国師の350年忌にあたり当寺に寄贈されたものである。

○勝頼公画像

 文政13(1830)年3月、勝頼公250年大遠忌に当たって、当山第17世の東陵主端禅師が描かせたものである。勝頼公の肖像画として書籍等にしばしば用いられている。

○石造井戸側(甲府市文化財)

 寺の中庭にある。材質は安山岩で外幅85.5cm、内幅63.5cm、深さ52.5cm。南、北、西の三面には武田菱が刻まれている。一つの巨石を日数をかけて刳り抜いたもので、一石刳貫式井戸側(いっせきくりぬきしきいどがわ)と呼ばれている。作者は不明だが側面に「大器叟置法泉慶安二己丑季」と彫られてあることから、江戸時代初期に造られたものであることが分かる。「大器」とは、当山第4世の大器禅師のことである。大器禅師は寛永、正保の時代に朝穂堰(ちょうほせぎ)の開発などに係わった功労者であり、この井戸側(外枠)も崇敬者によって寄贈されたものと思われる。

○古文書十一点(甲府市文化財)

 当山には、武田信玄公・勝頼公の古文書のほか、徳川家康公、浅野長政、平岩親吉など、かつて甲府を統治していた歴代の人物の古文書が保管されている。
 なかでも勝頼公の古文書は寺領安堵状にあたる「定」と「禁制」の二通が残されている。禁制には「法泉寺の山の中では木を切ってはいけない」「動物を殺してはいけない」といった事柄が認められている。

○乗物

 当山の住職が江戸城に登城する際に使用した乗物である。寛政年間(1797年)に改塗の記述が残っているが、製作はおよそ300年くらい前であると思われる。甲府市教育委員会に依頼し、当時の彩色を再現した。




○歴代徳川将軍位牌

 当山本堂には2代将軍秀忠公から8代将軍吉宗公までの位牌を安置している。将軍の代替わりの際に住職が江戸城に登城し下賜されたものと思われる。

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