水子の心( 捨てられて間もない頃の水子の心 )
母ちゃん 母ちゃん ぼくの母ちゃん
お母ちゃん ここだよ
おとうちゃん ここだよ
母ちゃん ぼくの手 どこに捨てたの
母ちゃん わたしの足知らない
母ちゃん ぼく 何もつかめないよ
母ちゃん わたし あんよができないの
こことっても寒いよ
ぼくだけが どうして
わたしだけが どうして
母ちゃんやとうちゃんに
捨てられたの
とうちゃんも 母ちゃんも
ぼくうらんでなんかいないよ
わたし
薄情なとうさんでも
薄情な母さんでも
うらんでなんかいないわ
でもとっても寂しいの
とうちゃんかあちゃんに
あまえたいの
こことっても寒いよ
あたたかいお茶がほしいの
ぼく 一人ぼっちじゃないよね
私だって 一人ぼっちじゃないよね
捨てられて
うらみもせずに慕いよる
己が水子に 愛の回向を 山口神直