神 直 先 生 和

 

()けまくも(かしこ)宇波源(うなはら)霊主(れいしゅ)

真宇王大霊大権現(まうおうだいれいだいごんげん)

その御眷属神仏(ごけんぞくしん) 八天狗様(はってんぐさま)

その一神仏(いっしん)必示小天狗様(ひつじこてんぐさま)

その肉宮(にくみや)、山口神直大法師

地球第七周期律(ちきゅうだいななしゅうきりつ)今世(こんせい)

衆生救済(しゅじょうくさい)に舞い降りしなり


※「掛けまくも畏き」
口に出して言うのもおそれ多いことです
※「宇波源」 地球のこと
※「今世」 今のこの世

 

① 
< 焼け跡にて >

 (むくろ)となりし・母親の

 乳房(ちぶさ)にすがる・赤子見て

 も・あるものか

 涙あふれて・立ちすくむ

※先生は、焼け野原の惨状を目にし、また村の者が多く戦死してしまったことを耳にして、「神国日本じゃなかったのか」「神仏は、どうして日本をこんな目に合わせたんだ」と神仏に反感を持ち、「本当に、神仏はいるのか」「神仏がいるのならば、とっつかまえて文句を言ってやりたい」と思ったそうです。

 


② 
< 出立(でだ)>

 御年十九(おんとしじゅうく)の・青空に

 朱文字(しゅもじ)浮かびて・命令(めい)を受く

 心は残れど・是非もない

 故郷(ふるさと)あとに・旅立ちぬ

※朱文字が空に浮かび、御霊示がありました。「甲斐の国(山梨県)、瑞牆山(みずがきやま)におもむけ、〇月〇日までに出立(しゅったつ)せぬときは、(なんじ)の命尽きるものとしれ」という内容だったそうです。先生はこの時でもなお、神仏に対する挑戦的な心であったとのことです。

 


③ 
< 瑞牆山(みずがきやま)にて >

 岩苔噛ん(いわこけか)で・雨水(うすい)なめ

 星雲(せいうんにら)み・祈りなす

 神仏(かみ)(うれ)いを・知ったとき

 星霜三年(せいそうみとせ)・はや流れ


※「瑞牆山」 山梨県北部、関東山地西部の山。花崗岩の巨岩が乱立している。

※「星雲」 ここの星雲とは通常の意味ではありません。星は夜を、雲は昼を意味しております。よって、この一行は昼夜を分かたず祈ったという意味になります。

 


④ < 神仏からの命令 (めい)>

 心失くした・修羅の群れ

 さだめを知らず・夢の中

 ()(おもむ)くは・滅びの世

 必ず示せ・人の道

 



⑤ 
< 下 山 >

 ()せさらばえて・下山(げざん)する

 ヨロヨロ歩く・二本杖(にほんづえ)

 物取(ものと)りとされ・里人(さとびと)

 犬に追われて・逃げし(よい) 


※瑞牆山でのご修行を終え、下山されたときのことです。農家の庭に何かが干してあり、先生がそれを狙っていると勘違いしたのでしょう。その家の者が、複数の犬をけしかけてきたそうです。

 



⑥ < 諸国行脚(あんぎゃ) >

 野宿かさねて・大阪で

 呼び止められた・骨皮筋エ門(すじえもん)

 乞食(こじき)(しょく)を・(ほどこ)され

 以下(いげ)天下の・大乞食(だいこじき)


※「以下」
わたし、自分のことを意味する洞川弁。
※先生二十二・三歳の頃、日本各地を回る旅の途中、大阪に立ち寄った時のことです。長い野宿の旅でしたので、髪も髭も伸び放題、痩せてボロをまとっておりました。そんな先生を見た一人の方が、自分のお仲間と思ったのでしょう、先生を呼び止め、「乞食にも縄張りがあり、坐る場所によっては他の者から乱暴されかねない」ことを教えてくれました。その上、自分が拾い集めたパンくずなどをくれ、一晩守って下さったとのことです。




⑦ 
< 御山(暁の鐘)開山>        

 混濁(こんだく)の世に・人踊(ひとおど)

 奈落の底で・鬼が泣く

 火宅の人ら・早早

 めてくれよと・打ち鳴らす


※「混濁の世」 人としての情けや、思いやる心を忘れてしまった人々でつくられている現在の世の中。人としての道を見定めようともせず、純粋な欲望人間のままでいる人間が多い今の世の中。
※「奈落の底で鬼が泣く」 我々人間は、身の周りの魂達に少しも心を配ろうとせず、日常を送っております。その結果、奈落(地獄)の底で、人間にしいたげられた多くの魂達が苦しみにあえいでおります。その残酷さは、それを見ている本来無慈悲であるはずの鬼でさえ、涙を流さずにはおられないほどであるという意味です。
※「火宅の人」 燃え盛る家の中にいるがごとく、危うさに包まれているのに、少しも気づかずに遊びにのめりこんでいる状態の人。

 

 


 < 開山初期 >

 んだ石垣・される

 あらぬを・流される

 まあええがなと・言うものの

 心はれて・布団泣き


※蛇之倉七尾山は、永く神仏から登拝が禁じられていたので、開山する際には、「祟りがあるのでは」と心配する方がおられました。
※「布団泣き」 一度、声が漏れないように布団をかぶって、尻をおったてて泣いたことがあると、伺ったことがございます。


 


⑨ < 窓がない >

 でたの・知らせ受け

 妹服(いもふく)借りて・旅支度(たびじたく)

 下市口(しもいちぐち)の・駅トイレ

 くして・バツわる


※「妹服」 御令妹
(ごれいまい)からお借りしたズボンのこと。その頃、手元不如意のため土方用の服しかなかったとのことです。
※「窓」 男性用ズボンのファスナー。
※ 隣で用をたしていた方が、そわそわしている先生を不思議そうな顔をしてチラッと見たそうです。

 

 


⑩ 
< 衆生救済 >

 他人(ひと)の心に・生きるため    

 米つきバッタと・(まご)うほど

 相好(そうごう)くずし・頭下げ


 為さねばならぬ・神仏の御心(かみごころ)


※相手に神仏の心を伝え、先祖供養・水子供養をしていただくためには、まず自分を受け入れてもらわなければなりません。人は、四角四面の方や上から目線の方を、敬遠いたします。遠ざけられると、結果として、その方や、その方のご先祖や、その家の水子を救うことが出来ません。先生は、「人の心に入っていく行が一番難しい」と仰っていました。

※「相好」 かおつき。表情。先生は、鏡を見ながら、笑う練習をされたそうです。「以下は、まるで太鼓持ちかなんぞのようだ」、とも仰っていました。


⑪ < 悟 り >

 知るは悟りに・あらざるに

 知恵に(おぼ)れる・か者

 見て(おこの)うは・悟りなり

 聞いて(おこの)うも・悟りなり

 


< 何かは残せ現世(うつしよ) >

 りは人間(ひと)の・責務なり

 万物万精(ばんぶつばんしょう)・祈りなせ

 しおくべき・最上(さいじょう)

 神仏(かみ)へのの・(ほか)はなし


※「万物」とは、姿・形があり、そこに魂を宿しているもの。「万精(万象ではない)」とは、姿・形はないが魂をもっているもの。したがって、万物万精とは全宇宙を意味することになります。

〇関連する先生ご自作のうた

 ()ちるともかは現世(うつしよ)
   生命(いのち)のままの姿なくとも