腰痛症

: 腰痛ってみんな同じ?

: 一口に腰痛といっても、いろいろあります。通常多いものとしては、腰筋 筋膜症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離・すべり症、老人の変形性脊椎症、 脊柱管狭窄症などです。そのほかにも、腹部大動脈瘤や腎結石、卵巣腫瘍、 ヒステリーから胃癌などの腰椎への転移まで様々です。骨そしょう症も誘因 としてあげられます。

: ギックリ腰って?

: 世間でよくいう「ギックリ腰」は急にはじまった(急性期の)腰痛をさして おり、実はこれはまだ、海のものとも、山のものともはっきりしない状態と 思われます。しかし、大部分は、二週間ほどおとなしくしていると治ってい く腰筋筋膜症か、左右どちらかの脚にひびくような痛み(座骨神経痛症状)を 伴う腰椎椎間板ヘルニアがこれにあてはまります。腰椎椎間板ヘルニアの場 合には長期の治療が必要になります。

: ギックリ腰はどうしてなるの?

: これまたいろいろな発症原因がありますが、箱を持ち上げようとして、予想 よりも重かったときや、体から遠いところのものを無理に取ろうとしたとき、 スポーツでジャンプの後の着地の際、あるいは顔を洗っているときにくしゃ みをした時などがあげられます。 大局的にはギックリ腰を含めて「いわゆる腰痛は、四つ足歩行から二本足歩 行になった人類の宿命である。」とも言われています。 そういわれてもねー。人類は、不用意にくしゃみもできませんね。

: ギックリ腰になったらどうすればいい(歩き方)?

:「痛くて、痛くて」一歩も歩けないほどのこともあります。そのときの経験 的対処法としては、まず、腰をまっすぐに伸ばそうとはしないこと。無理に 伸ばそうとすると、よけいにひどくなることがあります。トイレに行く場合 にでも、まっすぐに立とうとしないで、前かがみのまま、伝え歩きか、何か を支えにします。一番いいのは、軽く曲げた膝を両手でつかみ(左手で左膝を、 右手で右膝を)、両肘を伸ばして体重を膝に乗せ、腰を前かがみのまま、膝か ら下の脚(下腿部分)を自分固有の杖とみたてて、ゆっくり歩むことが良いよ うです。 痛みが少し軽減した時期においても、腰を無理にまっすぐに伸ばそ うとせずに、この「膝-杖」歩行(?)をしばらく続けると良いです。 なんだか先祖帰りして、四つ足動物になった感じですね。

: ギックリ腰になったらどうすればいい(寝方)?

: ふとんやマットレスは、沈み込むような柔らかいものを避け、やや堅めのもの がよいとされています。ベットは膝の高さくらいのがよいでしょう。ベット を使っていない場合にも、堅めのふとんの方が体の態勢を決めやすいのです。 基本的には痛みのない体勢で寝ることをめざすのですが、この体勢を見つけ るまでが大変です。一般的には仰向けに寝て、両膝の下に座布団をたたんで 入れ、膝を立てるようにするのがよいとされています。仰向けに寝ることも つらくなった時(腰が痛いときにでも寝返りは打ちたいものです。)には、横 向きで寝ます。枕は仰向けのときよりもやや高めがよいでしょう。その際に も、背中を丸め、膝を抱え込むような形にします。腰椎椎間板ヘルニアや腰 椎分離症では、痛みのひびく方の脚を上にするか、下にするかが問題となり ますが、まず痛い方の脚を上にして、座布団を股の間にはさんだり、はずし たりして痛みを調節します。経験的には、腰椎分離症で、横向きで寝る場合 には、さらに小枕を肋骨のない部分の脇腹にあてがい痛みを調節します。 うつ伏せに寝るときには、枕をお腹の下にあてがいできるだけ腰部を丸くし ます。しかしうつ伏せの体勢は、痛くて長つづきしません。避けた方がよい です。 仰向けや横向きでの体勢、座布団や小枕を使ったあれやこれやの方法も、 実は腰椎同志のあるいは腰椎と骨盤の位置関係を調節して、腰神経根に対す る牽引や圧迫を少しでも軽くしようとするものなのです。 筆者も体験済みのことで、つい熱が入って長講釈になりましたが、ずいぶ ん痛いもので、癌の骨転移かと思ったほどでした。自分でレントゲンを撮っ てみて、第五腰椎分離症を確認してほっとしましたが....。

: 治療は?

: とにかく、世間で言う「ギックリ腰」だといって、放置せずに、速やかに お近くの整形外科で診てもらうことをおすすめします。腰痛には「ギックリ 腰」ばかりではなく、いろいろなものが含まれます。ときには整形外科以外 の疾患が原因である場合もあります。その場合でも、整形外科であれば、適 切な指示(何科が疑われるか)を出せると思います。 飲み薬では、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ビタミン B類製剤などがあります。 注射剤としても同様のものがそろっています。 特に夜眠れないほどの痛みには、寝る前に消炎鎮痛の座薬が良いようです。 また、入院の上、ステロイド剤入りの硬膜外ブロックも行われます。これは 激痛に対してかなりの効果があります。腰の痛みや脚へのひびく痛みがある 程度軽くなったら、腰椎牽引療法も追加されます。 このような方法では効果がなく、再発を繰り返すような場合には、ヘルニア 摘出術や脊椎固定術などの手術療法を行います。 一度、腰痛になった人は、不用意にものを持ったり、くしゃみをしたりしな いようにして(そんなことできないよ!)、ふだんからコルセットなどを用 いて、腰を気遣ってあげたいですね。 手術はお互いに、避けたいですものね。

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